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【保護者とともに学ぶ性教育】~特別支援学校における性に関する学習~

【“性教育”という言葉は…】

 「性教育」「性に関する指導」やという言葉を耳にすると、誰しも大切な教育の一つであるとは理解していても、「性」という言葉に抵抗感を感じる人も少なくないと思います。この「性に関する指導」を「人としての在り方や生き方について学んでいく学習」として捉え、進めていくことが大切であると考えています。

【学校における性教育が目指すもの】

 学校における性教育は、「生命や人格、人権の尊重」など、人間尊重の精神に基づき、児童生徒が“性”に関して正しく理解し、適切に行動できることを目的に実施されており、保健体育科や特別活動をはじめ、特別の教科 道徳など、学校の教育活動全体を通した指導が進められています。
 特別支援学校においても、男女の発達の違いや二次性徴に関することを学ぶだけではなく、日常生活のルールや身体の清潔、コミュニケーション能力、他者を思いやる心の育成など、社会性や適切な判断力なども育んでいくために必要な学習の一つとなっています。
 性情報の氾濫やSNSの普及等により、特別支援学校の児童生徒も、スマホやネットワークを介して容易に他者と繋がりともつことができるようになり、「対人トラブル」や「金銭トラブル」、「性被害」など、様々なトラブルへ発展してしまっていることも全国的な課題となっています。
 現代的な諸課題や多様性等を踏まえ、情報モラルの学習とあわせ、正しい知識と判断力を育んでいくことが求められています。

【教師も保護者も学ぶ】~学校と保護者の連携~

 性に関する学びの充実のためには、学校と家庭とで連携を図りながら取り組んでいくことが求められます。その取組の一つとして、「あぶくま支援学校PTA学習会」において、本校の性に関する学習の取組と課題について保護者の皆さんに知っていただくとともに、各家庭と学校とで連携を図りながら子どもたちが学んでいくことができるよう、「特別支援学校における性指導の課題と取組」について保護者と共に学ぶ機会を設定しました。

 本校では、「学び創造プロジェクト」と題し、「①性に関する学習」 「②情報モラル学習」 ③「進路・キャリア学習」についての3つのプロジェクトチームを発足し、課題や指導内容の整理・明確化のほか、関連部署による連携、全体計画の作成・修正に向けた協議・検討に組織として取り組んでいます。
 PTA学習会において、「性に関する学習プロジェクト」のリーダー教諭養護教諭から“性”に関する児童生徒の実態や、各学部における具体的な学習の取組のほか、家庭で起こりがちな場面とそれらの対処法等について、事例をもとにお話しいただきました。また、子どもの性に関する悩みについて話し合う座談会では、保護者同士でそれぞれの悩みや困り感について伝えたり、聞いたりすることができ、様々な気付きと共感を得る場となったように思います。

<参加した方々からの感想>

「家ではなかなか性教育について話す機会がなかったので、参加できてよかった。」
「どんな内容でも学校に相談、共有していいと分かって安心した。心強く感じられた。」
「障がいがある無しに関係なく悩みは尽きない。家庭で夫婦で役割分担が大事!」
「同じ悩み、障がいをもった子供をもつ保護者同士でいろいろ話が聞けてよかった。」
「自分の対処に不安があったが、みなさんの意見がとても参考になった。」

【自分を大切にする心を育む】

 性教育は性行為を教えることではなく、生命にかかわることであり、自分は大切な存在であることや、自分自身を大切にしようとする価値観を教えるために必要な教育の一つです。今後も学校と家庭とで同じ思いをもちながら、保護者同士の情報交換や学びの場を設けていきたいと思います。

学び創造プロジェクトリーダー(性学習・赤井/情報モラル学習・木谷)・渉外部・養護教諭 熊田

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