【”性”を学び自他を大切にする気持ちを育む】~特別支援学校における性に関する学習Vol.2~
【高等部に求められる”性”に関する学びとは】
高等部段階における「性に関する学習」は、高校生という今だけでなく、卒業後の社会生活に必要な知識と判断力、行動選択の力を見据えたものであることが肝要となります。そのためには、「男女の体と心の理解」や「自分も相手も尊重した関わりの礎となる学びの充実」が不可欠です。
例えば、男女で異なる体のつくりや仕組みの違いを理解することは、自他を知り、お互いのことを思いやる気持ちをもつことにつながります。避妊や性感染症の予防法は、身を守り、自分の生き方を自分で決めていくために必要な知識です。「性の多様性」を知ることは、自分自身を受け入れ、自分と相手は違うこと、違うからこそ理解しようとすることが大切であるという価値観を育みます。
専門医より「”性”の本質を伝える」
10月24日、高等部2~3年生を対象に、「医療法人 桜井産婦人科医院」代表医 桜井 秀先生による「性に関する講話」を行いました。
本校では、「学び創造プロジェクト」と題し、「①性に関する学習」 「②情報モラル学習」 ③「進路・キャリア学習」についての3つのプロジェクトチームを発足し、学校組織として力を入れて取り組んでいるところです。
性に関する学びの充実のためには、学校と家庭との連携のほか、外部専門家との連携・協働により、「正しい知識」と「正しい判断力」を養うことが求められます。
①「性に関する正しい知識を身につけること」
②「自他を尊重した適切な態度や行動選択ができるようになること」
を目指し、学びの場を設けました。
【自分も相手も大切にするために】
講話では、SNSやインターネット上に潜む危険から、男女の体の仕組み、性の多様性、妊娠、中絶、性感染症など、性に関する幅広いキーワードについてお話しいただきました。
真剣な表情で聞いている生徒の姿からは、「自分のこと、性のことを知ろう」とする意欲がみてとれたように思います。
「どんな自分も大切である。」ということ・・・
「からだの性」は生まれもって決まっている性だが、「こころの性」「好きになる性」「表現する性」はどうあっても100点満点。自分を大切に思う気持ち、相手を大切に思う気持ちをもってほしい』という桜井先生の言葉に、その願いこそ性を学ぶ本質であると感じました。
【生徒の感想】
「いろいろな性があることがわかった」
「どんな性でも個性という言葉が心に響いた」
「相手のことをよく考えたい」
「インターネットやSNSに潜む危険がわかった」
「対等な関係についてわかった」
「大事なことだと思った」
といった感想が寄せられました。生徒たちは、自他を大切にする価値観をしっかりと育んでいることが伝わってきます。
【自分を大切にする心を育む】
性に関する学習で扱う内容は、授業のみならず、日常の生活や体験からの学びも多いものです。子どもたちが自分自身を大切にし、相手を思いやる価値観をもちながら豊かな人生を築いていけるよう、今後も学校と家庭とで同じ思いをもちながら、学校全体で取り組んでいきます。
養護教諭:熊田(健康教育部)
学び創造プロジェクトリーダー(性学習・赤井/情報モラル学習・木谷)